ライフストレスケアの発展を望む
ライフストレスケアという新しい領域を拓こうとしている。
医療分野、臨床心理学分野など特定の専門領域の支援とは違って、生活上、人生上のストレスを扱うには様々な切り口の知識や経験が必要であり、十分に体系化されているとはいえない。
少なくともストレスを考えるときに他者との情緒的な関わりに属するものと、目標達成や業務遂行に関するものでは介入法が大きく異なる。
簡単にいうと、仕事の進め方、生活の送り方、物事の整理など、医学や心理学の範疇ではないものがストレスと関係している。
少なく見てもライフスキルの支援だけでは足りず、もっと具体的な知恵が求められている。
もちろん、治療モデルである精神科医や臨床心理士は、それは個人の努力の問題であって、介入点ではないというだろう。
しかし、それを改善しないかぎり、ストレスは再生産されていく。
だから、ストレスケア領域は健康な方一般を対象とした広大なものになっていく。
多くの方がこの分野に参入して社会資源としても充実させていかねばらない。
それがどういうわけか、心理学分野に人材が偏っている。
本当にニーズがあるのか、なりたい人が多いだけなのか。
私はストレスケア領域こそ発展していく必要があると考えているひとりである。
もちろん、治療モデルとしての心理士の方の活躍を期待するものだし、それを否定するものではない。