ライフストレス研究所だより

長年の経験を活かしてライフストレスケアという次世代の人間学を紹介しています。

思考法の柔軟性

ライフ創造と主体性という機能に注目しているが、不快、不満と同時に「相手」「自分」がむき出しになってリアルなものだと感じることがある。

これは闘争・逃走の緊張状態であるが、その場合には危機を与える「対象」があり、それから「自分」を守らないといけないので、この場合の「相手」vs「自分」という思考パターンには妥当性がある。

そしてこれもまた、ライフ(生命・生活・人生)の一部であり、大切なエピソードである。

複雑な社会生活のなかでの不快・不満について、やはり「対象」としての加害者を見出して、自分の守るべきもの(自分+資産、地位、名誉、人間関係・・)は拡大しているだろう。それもまた妥当性があると考える。

しかし、この思考法をライフ全体に及ぼしていくと、ライフは歪みを見せてくる。主体性の機能を働かせて、別の思考法を見出す必要がある。

その場合には「自分」を意識するだけでなく、自分・相手・社会に目配りをして社会のためにどのように役立つかという考え方のほうが妥当性がある場合もあるだろう。

こうして考えると、主体性の機能はライフに不可欠だが、「自分」がむき出しになるのは、必要に応じてであり、自分を絶対視して個性化を重視するだけではライフが偏るのも当然だと考える。

「自分」は必要なときに、必要な姿で出てくればよい。おそらく、この世を去るときには「自分」は捨てていくのだろう。

ライフについて考えることもなく、「自分」だけが実在だと考える人は、死をどのようにして迎えればよいのだろうか。

これもまた、その場面にふさわしい思考法を持つというテーマである。