2018-10-01から1ヶ月間の記事一覧
人間は自分なりのシュミレーション空間を創ってくらす生き物だと書いてきた。 それゆえに、記憶と予測を現状に重ねてみているのだが、それを過去、現在、未来なのだと観念するようになっている。 しかし、私たちの実感としては、現在が未来へと進み、過去が…
生きるとは、生命、生活、人生という三つの階層を全うすることであるが、「目的」「目標」という思考法が通用するのは、「生活」の階層であると思われる。 目的があり、その道筋には目標があり、そして「手段」があり、実践と「結果」がある。 シュミレーシ…
このところ、私たちが暮らしているシュミレーション世界のことを書いてきた。 素朴な日常感覚では、これが「現実世界」であり、深く考察してみると、これは人間が生存のために生み出したもの、創造したものであって、ここから「物」がうまれ、「心」も生じて…
それぞれの人が自分の願望世界において、出来事や他者との関わりにおいて、様々な感情と出会うが、それは自分の大切なものであり、抱きしめるような感覚が必要だ。 相手が自分を軽んじたときの不快感、相手が冷酷であったときの軽蔑、相手の傲慢さに対する怒…
私たちが暮らしている世界は、事物の変化や他者の行動を予想して自分の行動を決定するための、シュミレーション空間であると書いた。 フィクションだけでなく、ノンフィクションであれ小説やドラマに接したときに、私たちが好むのは様々な出来事や情報が「伏…
人間は記憶のない乳児期には別の世界のなかで暮らしていたのだと思うが、成長のなかで「シュミレーション空間」をつくり、そのなかで暮らすようになる。 現在、私たちに見えている景色、出来事、他者、そして「自分」もすべて、このシュミレーション空間のな…
私たちの思考は、「自分」を中心において、特定の問題を「人生」から切り出して、それがどのように変化していって自分にどのような影響を与えるのかを予測するようになっている。 その限界は天気予報を考えるとよくわかる。かつては、自分の立ち位置から見え…
他者の評価に踊らされることの愚かさには多くの人が気づいていて、その反動として、どのように思われても、自分がやりたいことをやっていくところに喜びがあると考えてしまった。 人生は自分を主人公としたものではあるが、その他者を主人公として私がわき役…
人生からの声が聞こえなくなるのは、それ以外のたくさんの声がうるさくて、かき消されてしまっているから。 他者との比較で、自分が負けたくないと考えること。 周囲からどう見られるかという評価について考えること。 過去の恥や失敗を取り戻すために何かを…
意味のある人生というテーマを考えていくときに、よく言われるのが「やりたいことを見つけて、それに向かって努力する人生」ということ。 だから、「やりたいこと」が見つからないという悩みがあるし、「やりたいことをやっていない」という悩みもある。 自…
目の前の相手がどのような人であるのか。 古い共同体のなかでは、祖父母や親の代からの関わりのなかで、その人間の幼少期から今日までを知っているという前提で、相手のことを理解している。 これに対して、都市においては、隣の人とでも日常の関わりは少な…
もともと日本語では、「私は」という主語を日常会話などでは省略することや、対象を主語として語ることが多いように思います。 私は鳥を見たではなくて、鳥が飛んでいる。 私はあなたが歩いてくるのを見たではなくて、あなたが歩いてくる。 人生物語が大切だ…
LIFEを構成している「生命」においては、人間内部の自然と外部の自然はつながっており、その意味では自他の自然もつながっている。 よく、すべては一つであるといわれるが、このような生命の連続性に焦点を当てるとそれは妥当な考え方だと思う。 しかし「生…
個性の絶対性、ほかに変えようのない価値、それは私を主人公とした時間と空間の世界での物語によるのだと書いてきました。 同様に他者もまた、私の人生では登場人物として大切でありますが、その他者が主人公となって、時間と空間の旅を続けてきた記憶、つま…
心と体を「生命」としてみれば、そこには変化しながら安定していく調和の力があります。 そして、それは「自分」という殻の中で閉ざされたものではなくて、大自然の中に開かれていて、外部の自然と人間内部の自然はつながっています。 そこには収縮と拡張と…
心理学は、科学ですから、個人と個人の心の違いは「個人差」として扱われ、「価値」は入り込んできません。 それに対して、人間はその人格において分けることのできない「全体性」を持ち、他者とは比べようもない「絶対性」をもっていますが、そのような視点…