ライフストレス研究所だより

長年の経験を活かしてライフストレスケアという次世代の人間学を紹介しています。

与えらえたものをうまく使う

このところ、私たちが暮らしているシュミレーション世界のことを書いてきた。

素朴な日常感覚では、これが「現実世界」であり、深く考察してみると、これは人間が生存のために生み出したもの、創造したものであって、ここから「物」がうまれ、「心」も生じているように感じられる。

ストレス問題の背後には、この人間が作った仮想の現実を本当の現実だと思い込んで行動することが、歪みやずれ、不調和を生み出す場合があるということも書いてきた。

これは、身体の感覚、たとえば、空腹というサインだけに頼っていくと、自然界には存在しない「甘いもの」を作り出し、様々な味覚を満足させる食事のある、現代では原始時代のように、健康にはつながらないように、私たちの創造するシュミレーション空間もまた、不適応を起こすものになっている。

しかし、味覚や身体感覚は私たちに与えられた力であり、シュミレーション世界の創造もまた、人間としていきるための力である。

だから、その与えられたものに感謝しつつ、その恵を享受できるように、限界をしり、使いこなすことが大切だと考える。

畢竟、ライフストレスケアとは、自分に与えられた力の適切な運用であり、そのためには、研究で知りえたことを、生活に入れていくこと、生きる力として熟達していくことが大切だ。

シュミレーション世界の創造について、学ぶのは、その絶対視によって、歪みが出ているからだ。

なにも、人間を超えて、悟れと言っているのではない。

人間として、しっかりと生きていく話を積み上げているのだと考えている。

この三次元世界、そして時間の流れが、人間が、自分が作り出したものだとしても、その背後には、不可知の世界、存在の根源、大きな生命、大きな物語がある。

私たちは、それらを知ることはできないが、シュミレーション世界での、異物として、想定外、偶然として、あらわれてくるものが、その背後からのメッセージである。

これまで、学んできたことを、「肯定的」に、組みなおしていこう。

このすばらしい人生を味わいつくすために。