ライフストレス研究所だより

長年の経験を活かしてライフストレスケアという次世代の人間学を紹介しています。

2019-02-01から1ヶ月間の記事一覧

ミイラ取りがミイラに

一連の記事で私が最近考えてきたことは表現できたと思うのだが、ひとつ追加がある。 日常的な「個人心理的人間観(世界観)」において、受け入れることができない不快な体験を前にして、その方の「個別世界的人間観(世界観)」が開く。 他者や、他者と共有…

受容の意思

目の前の体験の受容とは、見たくないもの、言われたくないこと、したくないこと、それを「楽なこと」「苦しくないこと」に変換するような方法ではない。 出来事には自分が含まれており、その意味では自分との関係性の塊であり、自分が抱く感情も当然出来事の…

悩みと行動選択

日常の受容できない体験を受容しようと努力しているときに、他者にそれを話す場合がある。 その他者が加害者、被害者の図式で問題の深刻さについて共感して、それに乗ってしまって自分も話してしまうことがある。 感謝というより、評論家的な相手に腹が立つ…

悩みの世界から主体性へ

日常的な「個人心理的人間観」の世界で、大きな「不満、葛藤、傷つき」が起きて、目の前の出来事を受け入れたくない、これ以上主体的な行動選択をしたくないと苦悩する。 主体的なライフ(生命・生活・人生)創造をすすめていく勇気をなくしてしまうことがあ…

日常の世界と悩みの世界

ライフ(生命・生活・人生)の創造は出来事の展開として進んでいる。 そしてそれは刻々の行動(認知含む)の主体的選択による。 ライフ創造が停滞するのは、固定された繰り返しの選択によって、様々な不調和が生じて拡大していくときだ。 とりわけ、自分なり…

心理モデルと個別世界的視点

心理学とは「行動」の背後に「心」があると想定して説明したもの。 その「心」を実体化してモデルにして説明しているのが様々な心理学の理論。 それは個人心理的人間観によるものであって、個別世界的人間観では、それぞれの人が見て、体験している世界その…

心理モデルを超えて

個人心理的人間観において、人間関係の相互性や集団のシステム性の見方をとることで、習慣化している行動選択の癖を知り変える必要があるならその方向性を見出すことに役立てられると書いてきた。 精神分析、交流分析、家族システム論など参考にしてみたいが…

集団と行動選択の変化

性格という行動パターンの有効性は毎回自由な選択をしても経験の蓄積ができないので、特定の行動についてよい結果、悪い結果を生み出していることを見出して改善していけることだ。 同様に、家族には集団を保持しようとする働きがあり、人間関係にはお互いの…

行動選択の癖と改善

ライフ創造というテーマで、日々の出来事において、不適切なものが続いているときに、行動を変えるという選択をすればよいのに変えられない場合がある。 変わりたいのに変われない。どのように変わればよいのか分からない。 個人心理的人間観において、それ…

固定された関係性

個人心理的人間観において、身体、そしてそれと並行して働いている心を自分だとすると、本来一つである「出来事」が「自分」と「自分以外」に分けられる。 そこで、出来事に向き合って次の行動選択をしていくときに、自分と他者、自分と自然、自分と社会、自…

人間観と自分(自己)

個人心理的人間観をつかって出来事の成立を説明しようとすると、うまくいかない。 それはすでに述べたように、複雑な社会で自立して他者と協調して暮らすために便利な人間観ではあるが、実在や現象について掘り下げようとすると途端に矛盾が噴出する。 この…

出来事の分析

前の記事で、出来事とは関係性であると書いた。 アドラーなどは個人の心を分解して部分を想定することに反対して、あくまで「心」は全体として一つだと主張した。 しかし出来事としてみれば、物質世界と精神世界の関係性に見えるし、自分と他者、自分と集団…

集団と関係性

メンタルヘルスコンサルタントのための道具立てとして理論的な整理を進めている。ライフストレス研究と名付けている。 主体性についての整理をしてきたが、人間関係では「相互依存性」「関係性」「システム」「ドラマ」などの概念がある。 生理的人間観では…

主体性の回復過程

いろいろと言葉で考え方を整理していくと書いたことがすべてになって、書かなかったことが見えなくなる。困ったことだ。 今の私の立ち位置は、生きること、ライフが刻々の出来事だということ。 そして主体的に何かを選択し続けていくことで出来事を生成して…

主体性の拡大

ライフストレス研究で見出してきた「主体性モード」にも段階がある。 主観・自由意志、客観・因果律でいうと、本来人間は主観的生物であるが、その主観を圧縮して、他者と共有する客観部分を仮想でつくっていく。 その意味では、主観、客観という二分法では…

モードの切り替え

●個体操作モード �@ 客観的な環境(物質世界)の中に「自分」という身体をもった個体がいて動いている。他者も同じ客観的世界を共有してその中で別の身体をもった個体として動いている。 �A 自然環境、さらには社会環境中で、経験則、法則規範(ルール)を前…

重心の定義

自分のライフを創造する際に重要な重心点とはどう定義するのか。 この点は概念的には、位置であり、面積や体積は持たない。 身体と密接な関係を持つ。 五感で把握・統合した「世界」の中心点 精神的な世界を想定したときの中心点 広がりという観念があったと…

両方向の選択

主体的選択機能は、重心から全体への方向性と、全体から重心への方向性の両方について選択をすることでライフを出現させる。 たとえば、道路に飛び出したイタチが事故にあっているが、彼については、大きな敵が襲ってきたから逃げたということかもしれない。…

出来事の成立

出来事がライフであると書いてきた。 この出来事がほかでもない自分の独特のライフであるというゆえんは、自分の選択でできているからだ。 主体性とはライフ創造にかかわる「機能」であり、ライフの一部分であるといってもよい。 しかし、ここで注意しないと…

モラロジー関連

出来事が人生であると考えれば、刻々の選択をして人生を創造しているのが人間です。 これを自分の主体的選択で創造していると考えれば、自分で動かせないもの、つまり、選択の外にあるものは選択する際の「前提」になります。 それが良くても悪くても受け入…

選択のはてに

ライフ(生命・生活・人生)創造は、主体性という機能によって刻々と進んでいる。 この選択の連続は、行為だけでなく、そこに込められた意図や意味の世界も伺うことができる。 人間という「種」としての営み、生物としての営み、物質界としてのとらえ方・・…

ライフ創造と主体性(選択)

私たちにはライフという出来事があるだけだ。 このライフはそれぞれが創造しているもので、AさんとBさんのライフは異なる。 そこで、これまで、ライフは「主体性」という機能によって構成・創造されている全体であると考えてきた。 このライフは実に様々な姿…

反省しきり

反省しきり。 ライフ創造のマトリックスをつくっていろいろと検討してきたが、矛盾が多い表であることに気づく。 私も現代人の思考のなかにあって、飛躍が難しいのだから、どうしても「自分というパーソナリティ」「心」「信念」「価値観」・・というふうに…

思考法の柔軟性

ライフ創造と主体性という機能に注目しているが、不快、不満と同時に「相手」「自分」がむき出しになってリアルなものだと感じることがある。 これは闘争・逃走の緊張状態であるが、その場合には危機を与える「対象」があり、それから「自分」を守らないとい…

活動方針

このところ、活動を支えるビジョンを得るためにいろいろと考えてきたことを言葉にすると次のようになる。 支援の内容 1.自分づくりから「ライフ(生命・生活・人生)」創造へ 2.ライフ創造をすすめる「主体性」の機能強化 2.固定化された思考法への対…

主体性とライフスキル

WHO、世界保健機関が提唱している「ライフスキル」は10の項目がある。 問題解決、手段選択、創造的思考、批判的思考、人間関係 コミュニケーション、自己理解、他者共感、感情の安定、ストレスコントロール である。 私は、これらのスキル向上がライフの創造…

主体的意思決定と人間関係

このところ、現代社会の人間関係にまつわるストレスについて考察してきている。 自分だけで行動しているときには、もちろん、人間関係の問題は出現しない。 自分の欲求・動機をかなえるための「行為」があって、目標を達成することで満足を得る。 この欲求が…

人間観察の前提問題

人を信じること、人を疑うこと。 その両方が必要だし、それぞれに適用を誤ると問題が出る。 この両者は、相手の心をよむ、相手が自分の心をどう読んでいるか考える、という際に、前提として働いているものだと思う。 同じ言動でも、前提として、信じているの…

ストレスと人間関係の根本

このところの考察で、「シュミレーションの力」は不完全なもので、活用にも限界がある。 それをつかって、相手への信頼、貢献、希望、つまり愛を見出そうとしても、失敗してしまう。 シュミレーションの力は、様々な前提のもとで、成立しているのに、前提を…

シュミレーション失敗の原因

現代社会の人間関係のストレスが、お互いの相手に対する予測、シュミレーション、「心」のとらえ方がゆがんでいることが原因だと書いた。 しかし、私たちが相手のことを予想できるというが、それには限界があるだろう。 �@生まれ育った集団の価値観、文化、…