ライフストレス研究所だより

長年の経験を活かしてライフストレスケアという次世代の人間学を紹介しています。

集団と行動選択の変化

性格という行動パターンの有効性は毎回自由な選択をしても経験の蓄積ができないので、特定の行動についてよい結果、悪い結果を生み出していることを見出して改善していけることだ。

同様に、家族には集団を保持しようとする働きがあり、人間関係にはお互いの行動パターンを固定しようとする働きがあるようにみえる。

それは、メンバー同士、特定の相手との行動にお互いにパターンをつくって経験を蓄積していっているともいえる。

そして、トラブルが起きるのは、その行動パターンの保持・固定を通じた集団のシステム保持、人間観の固定作用に問題があることを示すサインである。

「集団」とか「相互関係」とは、個人が認識している観念にすぎず実体ではない。メンバーやお互いがそれを前提に行動選択をしているという共同の信念でもある。

では、この集団的な保持・固定作用に問題が起きるのはなぜか。

�@外界の変化によって、この集団や二者関係が不調和を起こしていて、その保持・固定がかえってライフ創造の停滞を生むこと。外界から変化を促されているのに変われないというテーマである。経済的要因、社会制度的要因、文化的要因・・

�A集団や二者関係は外界とうまく調和して、ますます保持・固定を強めているが、メンバーは自分なりのライフ創造のための行動選択を主体性をもって選択したいという意欲がある。

その集団や二者関係の方向性と、個人の行動選択の方向性が合わなくなったため。

メンバーの成長や病気などの状況変化などの要因もある。

�B集団や二者関係を保持するための信念や規範、行動パターンに不合理なもの、不自然なものがあったため、時間の経過とともに脱落メンバーが出てきて、集団の保持力が落ちたり、二者関係の崩壊に至る。

�Cメンバーの入れ替えなどによって、従来の仕組みが使えなくなった場合。システム的に考えるとそれぞれが目立たなくても何か役割を果たしている。その欠落が集団の保持に影響を与える。(ほかのものが代替するか、新しいメンバーをしれるか、システムが変わるか)

以上、思いつきだが、もっとあるかもしれない。

いずれにしても、それまで妥当だと思っていた行為の結果としての出来事が悪い方向に動いていくときに、どう変えればよいのか、そして変える勇気をどう持つのかに活用する知恵である。