ライフストレス研究所だより

長年の経験を活かしてライフストレスケアという次世代の人間学を紹介しています。

2018-09-01から1ヶ月間の記事一覧

体験世界の違いと記憶の変容

私たちが体験している世界、それぞれの人生では、自分が主人公であって、他者は登場人物になる。 私が主人公の世界で相手の言動をみて解釈した内容と、相手が主人公の世界でその同じ言動がどのような理由で起きているのか。そこには大きな隔たりがあると書い…

自然の子と社会の子

人間は動物と同じように自然に適応して生きる「自然の子」でもあるが、同時に社会を構成して、その社会に適応していきる「社会の子」でもある。 ストレス問題は、社会の子として適応を進めると、自然の子として不適応を起こしてしまい、逆に自然の子としての…

願望世界と苦悩

あなたに見えている、聞こえている、感じている世界。 それは、あなたの望んでいる「願望世界」なのだと言われたら、多くの人はそんなはずはない。 こんな世界は望んでいないと反論されるでしょう。 しかし、それぞれの人は自分が構成した「願望世界」に暮ら…

共感よりも違和感を楽しむ

いつ頃からだろう。 自分の気持ちに共感してもらうことを他者に求める人が多くなったのは。 あるいは、自分と他者の違和感を見せないようにふるまう人が多くなったのは。 カウンセリングなどを勉強された方は、「共感」と「同調」の違いは分かっておられるが…

個と市場経済(お金)

ミヒャエル・エンデの児童文学「モモ」は、モモという少女が、時間泥棒から盗まれた、たくさんの人の時間を取り戻す物語だが、この背後には「お金によって人生を灰色にしている人間」という寓意が込められているという。 個ではなく集団で生きていたときには…

行き過ぎた個の自覚

個とはこれ以上分けられない「自分」という存在であるが、この観念が行き過ぎたのが現代だと考えている。 自分はどうしてこのようなものなのか、という問いに不当に苦しめられている。 かつて、天動説で天体の運行を説明していたのは、そう見えたという日常…