ライフストレス研究所だより

長年の経験を活かしてライフストレスケアという次世代の人間学を紹介しています。

出来事の成立

出来事がライフであると書いてきた。

この出来事がほかでもない自分の独特のライフであるというゆえんは、自分の選択でできているからだ。

主体性とはライフ創造にかかわる「機能」であり、ライフの一部分であるといってもよい。

しかし、ここで注意しないといけないのは、自分とは全体を「自分」と「その他」にわけたときの区分によるが、私は位置をしめす点のようなものであって面積を持たないものだと考えている。

ライフの重心のようなものだ。

だから言葉を変えると、この重心での選択。主体性がライフをつくっている。

そして、この機能は出来事を生み出すときに、重心点からの全体へと向かう方向性(視点)と、重心点へと全体から向かってくる方向性(視点)の合成が必要である。

そして、この両者とも主体性の機能によって選んでいるということだ。

自分がという主語をなくして説明するならば、主体的選択機能は、重心から全体への方向性と、全体から重心への方向性の両方について選択をすることでライフを出現させるということだ。

ライフはという主語で説明するならば、「ライフは重心から全体への方向性と、全体から重心への方向性の両方について主体的選択機能が働くことによって出現している」となる。

もちろん、日常感覚で、皮膚に囲まれた身体とそれと並行して働いている精神を自分、目の前の他者の身体と並行して働いている精神を他者とみることも、ひとつの考え方であり、一長一短、役立つ場面もあれば、不都合が起きる場面もある。

ここで主体性、重心、全体、ライフ、という用語で説明している思考法も役立つこともあれば、不都合もある。

しかし、それぞれの思考法をもっと活用しやすい洗練されたものにして、その有効性と限界を明らかにすることが、メンタルヘルスコンサルタントとしては求められる力だと思う。