ライフストレス研究所だより

長年の経験を活かしてライフストレスケアという次世代の人間学を紹介しています。

専門家は自分の意見に偏る

ライフストレス研究を探求し、それを仕事や生活に活かしていき、意見交換をしていく関りが「研究員」です。私は研究員の一人であるとともに、コーディネーターをしております。

20年間の私なりの体験と考察によれば、普通に考えられているよりも「ストレス問題」の奥が深いということをまずは確認したいと思っています。

それぞれの専門家は自分の学問の枠内で「ストレス」を扱っていますから、疑問にも思わないのでしょうが、私には不思議でなりません。

心理学者は、ストレスをあくまでパーソナリティの問題として、発達課題、欲求不満耐性、葛藤、防衛機制などの枠組でみようとして、解決もまた「学習理論」に基づいて、間違った学習をしたのであれば、正しい学習行動をとればよいと考えます。あるいは、現実を受け止めていくうえでの「認知の機能」に問題があるとして、自動思考を見直して修正したり、さらには、スキーマ(信念)レベルを見直して、再養育しようとします。

これは不適応を起こしている人、精神的なトラブルを抱えている人への心理士のアプローチとしては妥当ですが、これがはたして「ストレス」への対処でしょうか。

あるいは、生理学や脳科学の専門家は、自律神経系、免疫系、ホルモン系、姿勢制御系などのアンバランスから「脳疲労」に至っていることを「ストレス」だとみなして、その脳疲労の解消法を研究しています。脳波や自律神経、内分泌などの回復が見られれば効果があるというのです。

笑顔、香り、ストレッチ、瞑想、運動、スキンシップ、音楽、森林浴・・・

このようなとらえ方がストレス問題への対処でよいのでしょうか。

心療内科、精神科の医師は、ストレスを疾患の引き金だと考えて、薬物治療と合わせて、対人関係、仕事などストレスの原因的なものから遠ざけることを主張します。つまり治療方針の中でストレス軽減を指導しているということです。

あるいは、人間関係の専門家は、極論すればストレス問題は人間関係の問題だと考えて、対人スキルの不備が問題だとして、自己主張の訓練であるとか、他者との対話の練習が必要だと考えます。

また、目標達成というストレスにつぶれてしまうのは、適切な導きがないためだと考えれば、コーチの人たちは、現状把握と、妥当な目標設定、そして、具体的なプロセス管理などをサポートするでしょう。

これくらいにしておきますが、「ストレス」という言葉を使ってはいても、だれもが自分が従来取り組んできたことをからめて説明しているだけで、本質的なところには切り込んでいっていないと私は思うのです。

これから、私が研究員の方に発信していくのは、もっとライフ、生命、生活、人生にとってのストレスの意味という本質的な考え方と、それを踏まえた対策です。もとより、完成したものではありませんが、素描、スケッチとして述べていくことにします。

忌憚んのないご意見をお願いします。

メッセンジャーでのやりとりが助かります。ホームページから入ってメールでも結構です。