ライフストレス研究所だより

長年の経験を活かしてライフストレスケアという次世代の人間学を紹介しています。

心と物(体)を分けない

心の科学を生活や人生に落とし込むときに、もっとも不都合を感じるのは「物」の世界と「心」の世界が別のものとして分けて説明してあることです。しかも体も物だとされますので、物心二元論心身二元論といわれる考え方で、これを転換させるにはかなりの年月がかかりそうです。

私が「心理学」がストレス問題の解決に役立ちにくいと考えるのは、「心」と「体」を分けたうえで、心身相関があると説明するからです。

体を変えれば、心も変わる。心を変えれば体も変わる。

もちろん、実験でもそのように見える現象がたくさん確認されています。

では、ストレスは、どこに生じているのでしょうか。

ある人は「心に生じたストレスが体に悪影響を与えている」といい、ある人は「体に生じたストレスが心に悪影響を与えている」といいます。

そして、それを証明するような現象も観察できます。

ここから、極端な精神論(心をしっかり強くすればよい)とか、極端な身体論(ストレスを軽減する身体技法があればよい)が生まれていきます。

私は、このような問いの立て方に疑問を持っています。

本来、一つのものが変化しているのを別の言葉で説明しているだけなのではないか。それゆえに、対処法についても、別のものがありえるのではないか。

そこから考えていきたいのです。