ライフストレス研究所だより

長年の経験を活かしてライフストレスケアという次世代の人間学を紹介しています。

セルフコントロールと自己受容

セルフコントロールとして説明すると、自分の「感情」の動きと「考え」の展開に注意することだと思う。

目の前の「出来事」をありのままに受け止めようとする態度が重要である。

それに失敗したときに、不快な感情が生まれ、その感情に引きずられるように「考え」が転がっていく。

現実をふまえずに不快な感情に色付けされて進む考えは「空想」「妄念」のように姿を変えてしまう。

そして出現した仮想の「問題」を中心点として、その周りを自分も他者も回っていると考えるので、もはや自分を主人公とした中心点である主体性を失い、他者を主人公とした他者の主体性を認めることもできない。

このような状態に陥るのを防ぎ、あるいは、このような状態から抜け出すのがセルフコントロールだと考える。

自分は何を受容できなかったのだろうか。それを直視するところから始まる。

この感情的な苦しみはそこから生じたのだとあきらめて、目の前の出来事に向き合って、できることを行っていこうとすることだ。

自然の流れは自分には伺い知れない方法で調和をもたらしていく。だから、起きた出来事を悪いことだと決めつけてはいけない。人生万事塞翁が馬。

大切なことは、その出来事に向き合って、自分が何をどのように行動していくかという主体的な選択を続けていく勇気である。

ストレスへの向き合い方として「自己受容」を中心にすえたバランスセラピー創始者である美野田啓二先生の卓見に20年を過ぎて改めて感嘆する次第である。