ライフストレス研究所だより

長年の経験を活かしてライフストレスケアという次世代の人間学を紹介しています。

自分の「資源化」

自分の心身や所有するもの、能力、資格、社会的評価など、私たちは、生きるすべを「資源」を獲得することだと思わされている。

しかし、本当はそれを活用して、主体性を発揮してどのように生きるかが重要なのだが、その訓練はおざなりで、資源を得ること、失うこと、他者と比較することが、人生の主要なテーマになっている。

この資源の領有化が「自我」の働きであり、それらを活用すべきものとはみずに、「自分自身」だと定義してくるのだ。

ここにおいて、この定義された自分は物質的、社会関係的なものだけでなく、精神的な力、知力、感性、意志力、共感力など、心の世界でもまた、「資源」となりそうなものを発見して、それを得て、それが自分だと考えるようになっている。

だから、自分を振り返るとは、物質的な世界での力、社会関係の中での力、精神的な力というもので、それを活用する主体的な心というものは埋没して、それらの諸力が「自分」だという。

だから、失敗とは、主体性の世界では意味あるもので、さらに主体性を発揮して、資源を増やしていくものだが、諸力が自分だという世界では、自分が削られたような感覚になる。

このような自分の資源化は、さらなる防衛的な生き方を生んでいく。

これをどうしていくか。