実践性と世界観
これまで人生問題へのアプローチとして、様々な分野に分かれてしまった科学や学問を統合することで対応できるのではないかと模索したときがあった。
統合の難しさと、その労力がそのまま実践性につながらないと知った。
さらには、人生問題では実証できないスピリチャル的な分野がそれなりに重要であることも知った。
そこで、学問的な統合ではなくて、実践性にむけての「統合」を考えて、さらには人生上のことを目の前の「出来事」として扱うことにした。
そうすると、これまで分野の異なる学問、宗教、哲学だと思ってきたことは、そもそも人間観・世界観の違い、つまり出来事のとらえ方の段階から異なっていたのだと気づいた。
学問的な統合が難しかった原因が明らかになった。現在、この種の統合、あるいはどれが正しいかと論争が起きているように思うが、私はそのようには考えないことにした。
出来事には自分も含まれているが、その自分もまたとらえ方次第である。だから自分とは何か、人間とはなにか、精神とは何か、他者とは何か、存在とは何か、時間や空間とは何か、などの問いを捨てて、人間観の種類を発見することに努めるようにした。
そのうえで、どの人間観・世界観を選んでいるのか、その無自覚の選択を明確化していくなかで、人生問題への新しいアプローチを発見しようとしている。
まだ、つぎはぎの不完全な考察ではあるが、臨床の場や、自分自身の人生で経験を積んでいるところだ。
迷ったから、この考察の原点に戻ってきたい。