ライフストレス研究所だより

長年の経験を活かしてライフストレスケアという次世代の人間学を紹介しています。

社会で共有する価値観

社会の中に人間を幸福にする価値を埋め込む取り組み

以前は「価値観」に関することを話すと、それは個人の自由であって、また科学的ではないと扱われていた。

もちろん宗教団体の場合には社会の価値観を育てるのではなくて団体に縁を結んでもらうための布教活動なのだから、信じる人は入る、信じない人は入らないという図式になる。

社会共有の価値をつくっているのは、親や家族がすでにもっているものを子どもに伝えたり、学校時代の教師が伝えたり子ども同士で形成することで、ある程度の空気のようなものはできているのだろう。

しかし知識は教えても価値の世界を実践してみせて教える人は少ないので、結局、大人になってから情報を収集して価値観を育てていくのだろうから、マスコミ、ネット情報などが共有価値をつくっているともいえる。

スピリチャルブーム、心理学・哲学ブーム、復古的な過去の価値観を蘇らせようとすること、識者と言われる人の発言、それらを知識として吸収しながら大人は道を探しているのだろうが、その試みはうまくいっていないように思える。

今の社会制度に合わせて、その活動を人間の幸福にむけてセットできるような新しい価値体系が求められている。

企業の社会的責任の議論は古くからあるが、企業活動にかかわるすべての関係者のことを考えて経営をすることを現代では企業存続の条件とするようになってきた。

私の専門とする企業団体のメンタルヘルスコンサルティングでは、企業風土、企業の信念体系・価値観がどのような影響を社員に与えているかも視野におかないといけない。

企業も学校も医療も福祉も変わっていかねばならないし、家族の在り方や個人もそれに合わせて成長しないといけない。