ライフストレス研究所だより

長年の経験を活かしてライフストレスケアという次世代の人間学を紹介しています。

子育てと社員教育の偏り

現代人の問題意識は「個人が集団から圧迫されている」ということだが、だとすると「圧迫に負けない自分」をつくることが対策になる。

しかし実は「個人が調和的な集団を形成する力を失っている」のが問題だとすると、「集団を形成する力、他者と調和する力」を伸ばしていくことが対策になる。

最近、気になるには、若いお母さんたちが、これからは自分の子どもを強く育てたいと思っていることだ。

いじめなどが念頭にあるのだろうが、そうやって各家庭で強くなった子どもであっても、そこでの強さには序列がついて相対的に弱い子は出てくるだろう。このような競争が本当に解決になるのか。

後者の「他者を信じてつながる力」「集団をつくり貢献する力」を伸ばすことが大事だと私には思えるのだが、現代ではそれは「きれいごと」のように聞こえるだろうか。

企業でもストレス耐性の強い人、自我強固な人を欲しいという傾向があるようだ。メンタル不調、休職などを不安に思うことからくるのだろう。

しかしその集団が調和的で働きやすいものであるかが、はるかに重要であって、そこで本当に必要な人はやはり「他者を信頼してつながる力を持つ人、集団を形成して貢献できる人ではないのか。

いじめ、メンタル不調、そのようなトラブルに目が行ってしまい、大切な子育て、社員育成の方向性までゆがんでいっているのではないかと心配である。