ライフストレス研究所だより

長年の経験を活かしてライフストレスケアという次世代の人間学を紹介しています。

人間の連なりと「人間観」

自然ー身体ー感情ー意志ー思考ー信念ー言説ー集団ー社会

この連なりが人間であると書いたが、それも理解のための仮説的概念である。

このモデルは、個人心理や個人のパーソナリティが自分だとする現代の考え方では見えないものを把握するためのツールにすぎない。

ライフを「生命」「生活」「人生」と階層で理解しようとしたのは「心」と「物質・身体」の二つに分かれるまえの「出来事」に迫るためであった。

あるいは、「出来事」は人間観・世界観によって異なった姿を見せることから様々な人間観を見出していった。

脳科学的人間観」・・心とは脳機能の一部が表現されたもの

「個人心理的人間観」・・心とは個人の身体が独立して行動する際に並行して働くもの。行動から予測するもの。自分の言動から自覚するもの。

「集団心理的人間観」・・心とは人間が集団として動く場合に同調して働くもの。

「個別世界的人間観」・・景色にしろ他者にしろすべて自分の心の中で構成しているので、自分の体験すべてが心である。

他者は他者の世界をもっているのであって、お互いにそれを知ることはできない。

「主体的人間観」・・上記の人間観を切り替えて選ぶ力が人間にはあり、今、ここにおいて、選択・行動化をする力が「心」である。

心身二元論をとる立場にしても、その「心」をどのようにとらえるかが「人間観」によって異なっている。

しかしこのような煩雑なモデルが本当に必要なのだろうか。私自身の理解のためにはともかく。もっとクライアントが使えるように簡単にならないものだろうか。