ライフストレス研究所だより

長年の経験を活かしてライフストレスケアという次世代の人間学を紹介しています。

2019-04-03から1日間の記事一覧

言葉による教育と感情問題

家庭としての集団的信念を持ちにくい現代において、親が理念的な言葉による教育で子どもの信念を形成しようとすることに問題があると書いた。 家庭で親が子どもと共同作業でつくっていく生き方を支えるための信念・思考行動パターンは、教師のように知的に「…

集団的自己と個性的自己

信念・思考行動パターンの流動性は「集団的自己」として、固着性は「個性的自己」として扱えると書いてきた。 そして「個性的自己」は「信念・思考行動パターン」を自分だと考えて保存して、それを変えようとする他者や集団の圧力に抵抗するものだと書いた。…

信念・思考行動パターンの固着性と流動性

念・思考行動パターンの固着性・流動性の問題について書いてきた。 これは「集団的自己」と「個性化した自己」との関係でもある。 流動性の極致は「集団」のなかで、信念や思考・行動が一方に誘導されていく問題である。 戦争に突き進んでいったとき、なぜ止…

愛情不足論を超えて

信念・思考行動パターンの柔軟性を取り戻すために、種々のトラブルが起きていると書いた。 集団に即応した信念等を身につけていくには、自分とは「信念・思考行動パターン」であるという自己保存的執着から離れないと難しい。 仮にこの固着性が子ども時代に…

集団性の根差さない言葉の教育

生き辛さの問題や環境不適応にまつわるトラブルは、信念・思考行動パターンの固定性(柔軟性の不足)にあると書いた。 しかし逆に、信念・思考行動パターンの一貫性のなさ(固定性の不足)もまた人生上、信頼を得て、価値あるものを創造しようとすることを阻…

家庭教育と柔軟性

パーソナリティー論・発達理論は、心理学者の努力で社会の中に浸透した。 功績としては、個の自覚を強めることになり、今日の社会の多様性を認める方向につながっているのだろう。 そして、個の自覚は経済合理的判断と相まって、労働・消費を通じて「市場経…